Trichomonas属原虫に分類される寄生虫です。人のトリコモナスとは別種のもので、飼い鳥のトリコモナスは人には感染することはありません。ここ数年セキセイインコでの検出が多く、重症化した場合、致死性が高いことが問題となっています。他にも、ブンチョウなどのフィンチ類、ハト、オカメインコから検出されることがあります。特に1歳未満のセキセイインコは健康診断でそ嚢液検査を受けることを強くおすすめします。
トリコモナスはそ嚢に寄生します。そ嚢液検査で検出することができます。1回のそ嚢液検査では隠れ潜んでいて検出できないこともあるため、お迎え後は複数回の健康診断をおすすめしています。特効薬があり、駆虫は容易です。無症状のうちに駆虫できれば治ることがほとんどですが、発見が遅れるとそ嚢に肉芽を形成してしまうことで嚥下障害、呼吸困難、嘔吐などの症状が出ます。時に神経症状が出る場合もあります。
なお、トリコモナスは糞便検査では検出できません。そ嚢液からしか検出できない寄生虫です。糞便にて検出される似た寄生虫としてヘキサミタやジアルジアがありますが、それらとは別の寄生虫です。