鳥ボルナ病

鳥ボルナウイルスによる感染症です。ウイルスの型によってさまざまな鳥種に感染します。日本国内ではインコオウム類で問題となっている感染症で、時にヨウム、オオハナインコ、コンゴウインコ、タイハクオウムなどの白色バタン類、アケボノインコ、ウロコインコなどのコニュア類で比較的認められています。このウイルスは神経細胞へ感染することで神経細胞の失活を引き起こし、嘔吐、排便障害、発作、虚脱、呼吸筋麻痺、羽質変化などさまざまな症状が発現します。感染力は強く、長期生存率が高くないのが現状です。

こちらはボルナウイルス陽性のタイハクオウムのレントゲン画像です。重度の腺胃拡張が認められます。排便障害、発作を起こしていました。感染症の遺伝子検査にて診断確定しますが、神経細胞に潜り込んでいてウイルス抗原が検出されないこともあるので確定診断は難しいです。このことがレントゲン検査にて腺胃拡張が認められても他の疾患との鑑別を難しくしています。特効薬はなく、胃腸や神経の障害への対症療法がメインとなります。最新の情報では鳥ボルナ病に対しては免疫抑制療法が発症や悪化を抑制するために効果的である可能性が報告されています。