右卵管遺残

ほとんどの鳥類の卵管は左側しかありません(※ハヤブサ科の鳥やキーウィは左右ともに卵管が存在します)。右側の卵管は孵化して10日後までには萎縮して機能しなくなります。しかし、時折右側の卵管が存在(遺残)することがあり、本来は存在しない右卵管に液体貯留してしまい、お腹を圧迫してしまうことがあります。

レントゲン検査(バリウム造影)です。本来消化管の空腸と回腸は体の右側にありますが、膨れてしまった右卵管があるとレントゲンのように左側に寄せられてしまいます(赤矢印)。しかし、このようなレントゲンの場合、他の疾患の可能性(卵管や卵巣腫瘍など)の場合もあります。右卵管内に液体がたまり続けてさらにお腹を圧迫してしまうことがあるため、手術にて摘出することが治療となります。また、稀に右卵管が腫瘍(がん)化している場合もあります。