そのう内異物

カーペットやタオルなどをかじっていませんか?かじるだけなら問題ありませんが、その繊維を飲み込んでしまうとそ嚢の中で固まってしまうことがあります。小さければ催吐剤で吐かせることもありますが、犬猫では異物誤食でよくやる処置である催吐処置は鳥ではリスクが高いことがあります。そのう内異物となってしまうと、吐き気や食欲不振などの症状が出てしまい、場合によっては食物の通り道が完全に詰まってしまうことがあります。

こちらはカーペットがお気に入りでかじっていたセキセイインコのそのう内異物です。吐き気が日常的にありました。そのう切開にて異物摘出しました。

きれいに摘出できれば予後は良好です。手術は麻酔をかけて実施します。そのう内異物の手術では、異物がある状態での手術なので麻酔後に吐き気があることで誤嚥してしまうというリスクがあります。また、消化管の一つであるそ嚢を切開することで、術後に元通りに消化管が機能してくれるかどうかが大切です。そのため、手術前の絶食絶水期間を適切に設け、適切な手技で手術を実施する必要があります。治療が終わった後も再発しないように繊維質のものは近づけないようにしてあげましょう。