疥癬症のセキセイインコです。トリヒゼンダニが悪さをするときはストレス環境下や免疫抑制下となってしまっていることが原因です。まだ免疫機能を十分に獲得しきっていない幼鳥期やPBFDといった免疫抑制状態にて、このダニは宿主である鳥の嘴や脚の角質を食べたり、その角質を掘り進めて産卵、増殖していきます。それによって、宿主である鳥の角質は写真のようにボコボコしてしまいます。
↑治療前
↓治療後(調子がよくなり発情してきた影響でろう膜は茶色になっています)
治療は調整イベルメクチンを頸静脈近くの皮膚に塗布浸透させ、角質の病変がひどい場合には直接病変に塗布することもあります。ダニを退治しても角質変化が残り、きれいな嘴や脚になるのはしばらく時間がかかります。
このダニの検出のためには、角質を掻把し、その角質をセロファンテープにて回収、ズーム液(KOH)にてふやかすことで顕微鏡で観察します。また、免疫抑制状態で発症したことを鑑み、PBFDなどの免疫抑制してしまう感染症がないか調べることをおすすめしています。