手術症例:そのう内異物摘出(ペットシーツ)

ペットシーツを食べてしまっているかも・・・とのことで来院したオカメインコです。そのうはカチカチになっており、卓球ボールぐらいの大きさの異物がそのう内に認められました。大きな異物による違和感から時折吐き気がありました。そのう切開による異物摘出術をしました。

そのう内異物の手術ではそのう内からの粘液逆流や残存しているエサによる誤嚥に注意します。術前の絶食時間は通常の手術よりも長い時間を設けます。本症例は18時間の絶食、6時間の絶水時間を術前に設けました。消化管の切開はできる限り切開線を広くとらないことが術後の機能回復へのポイントです。切開線を大きくしてしまうと機能回復に時間がかかってしまうことがあります。そのう切開し、そのうの中で異物をほぐすことで切開線を大きくとりすぎることを避けました。

摘出した異物

ペットシーツだけではなく、止まり木、オガクズなどさまざまなものがペットシーツを核にして固まってしまっていました。オガクズは最近使用はしていなかったとのことです。おそらくかなり前から異物として形成され徐々に大きくなってきてしまっていたものと思われます。術後すぐもプラスチックケースの床材として敷いていたキッチンペーパーを食べようとしており、すぐに撤去しました。かじるのがかなり好きな子のようで再発注意です。

現在は退院し、元気にしていますがそのうに大きな刺激とならないようにエサであるペレットやお薬を1日のうち3回に分けて少しずつあげてもらっています。そのう内異物の術後は一気食いによるそのうへの刺激にも注意が必要です。