鳥抗酸菌症

マイコバクテリウムという細菌(Mycobacterium genavenceM. avium complex)が原因となる感染症で、鳥結核とも呼ばれます。すべての年齢の鳥に感染します。人の結核は肺病変がメインですが、鳥は肝臓や消化管がメインの病変とあります。症状は慢性的な元気食欲の低下、尿酸の色の変化(黄色〜緑色)、肝臓や腸の腫大による腹部膨大、排便障害、神経症状、皮膚などの結核結節などがあげられます。この細菌を保有するとすぐに発症するとは限らず、何年も肝臓に隠れ潜んでいたということもあります。

この病気に対する治療薬はリファンピシンやエタンブトールといった抗結核薬に加えて、感受性のある抗生物質(マクロライド系やニューキノロン系)などを長期的に多剤併用する必要があります。また、人にも感染することがある人獣共通感染症です。人では特にAIDS患者やステロイド服用中の人などの免疫抑制状態では感染する可能性が高くなってしまうため、注意が必要です。