発作

発作の原因は心疾患、動脈硬化、血栓症、てんかん、鳥ボルナ病、肝疾患…いろんな可能性があります。近年の犬猫の獣医療では心疾患や神経疾患の原因解明や検査、治療方法の確立が進んでいますが、鳥類では脳波測定が不可能であるためてんかんの診断が正確にできなかったり、血栓塞栓や心疾患の詳細を特定できないことがほとんどというのが現状です。そのため、鳥類における発作は原因が何であっても、第一に大切なのは発作を止めること、少なくとも軽減です。発作が続くほど消耗してしまい救命率は低下します。そしてできる限りの原因の究明をレントゲン検査や血液検査にて行っていきます。

こちらは突然発作を起こし始めたコミドリコンゴウインコです。注射にて発作をすぐ軽減させ、レントゲン検査。この状態や体力でさらなる精査のための血液検査は危険と判断。ボルナウイルスの有無を外部機関で調べつつここまでの暫定診断で治療薬選択し入院治療にて体力回復させていきました。発作に対する治療薬は発作の程度や病状、診断によって異なります。レントゲン検査や血液検査によって可能な限りの診断をすることで症例に合った適切な治療薬の選択が求められます。


なお、本症例は鳥ボルナ病でした。歩き回るほど回復したため、通院治療に切り替えましたが、鳥ボルナ病と戦っています。