症状として、食欲廃絶、嘔吐、濃緑便、尿酸色の変化(緑色尿酸、極めて重度の場合は赤色尿酸)などが挙げられます。いずれも急性の症状であることが中毒時は多いです。
放鳥中に拾い食いしていたり、どこかでかじかじしていませんか?金属の中でも鉛は特に中毒性の高いものとして知られています。家庭では台所のコンロの五徳、カーテンウェイトが金属中毒の原因になりやすいです。放鳥時間が長くなると見ていないうちにそれらをかじってしまっていることがあります。放鳥は飼い主さんがしっかりとコミュニケーションをとることができる時間(30分程度)で行うようにするのがよいと思います。
また、鳥用おもちゃの中でも錆びてしまった鈴のおもちゃなどで中毒を起こすこともあります。鳥用おもちゃはステンレス製のものがおすすめです。鳥用ケージについては近年の亜鉛メッキは中毒を起こすような物質ではないとの見解もありますが、錆びを食べてしまったり、多量にメッキを剥がして誤食してしまうことが問題となることがありますので要注意です。
治療は金属をこれ以上吸収させないためのキレート療法(内服や筋肉内注射にて投与)に加えて、金属の排出、機能低下してしまった胃腸などに対する補助療法を注意深く行っていく必要があります。極めて大量の誤食の場合には、稀ではありますが外科的摘出を検討することもあります。なお、キレートのための薬は長期連用投与できません。通常何カ月も投与する薬ではありませんが、投薬期間にも注意しなければなりません。
レントゲン検査:筋胃内に金属様陰影、腺胃は機能低下して拡張している。台所で五徳をかじっていたとのこと。
この病気は非常に有名ですが、金属中毒か、それ以外の病気かの判別をしっかりしなければなりません。レントゲン検査にて、筋胃内のグリットを金属と誤認しないように注意が必要です。