皮下注射

鳥に注射なんてかわいそう、怖い・・・と言われてしまうことがあります。治療のためには大切な処置の一つであり、適切に実施すれば安全なものです。鳥の治療の際に、頻繁に実施している一般的な処置のひとつで、鳥の獣医師は毎日何十回、この処置をたくさんの鳥に実施しています。

皮下注射は肩部の無羽域で実施するのが一般的です。病状に合わせて、投与する薬の種類や用量を判断し、適切な手技での実施、そして正しく鳥の状態把握ができれば、鳥に負担のかかる処置ではありません。チクッとはしますが、強い痛みを伴う処置ではないので安心していただければと思っています。

オカメインコの右肩部の無羽域への皮下注射の様子

小型鳥~中型鳥は1人で実施します。鳥の状態を観察しながら、どの程度の強さで保定する必要があるのか把握しながら実施するためです。小型鳥で保定者を設ける方法は鳥に負担がかかることが多く、おすすめではありません。

人差し指と中指で頸部を保定、親指と薬指で無羽域を露出しつつ、手のひら全体で鳥を包み込みます。この際に、胸部~腹部を圧迫してしまうと苦しくなってしまうので注意が必要です。ふんわり、かつ動かれないように持つのがポイントです。保定に戸惑ってしまったりすることで長く時間をかけてしまうと鳥に負担なので、いかに短時間で適切に注射できる保定できるかがポイントです。

大型鳥(暴れてしまう中型鳥も)は1人では包み込むことが難しいので、基本は2人でこれを実施します。