猛禽類の血液検査の注意点(絶食下での採血推奨)

適切な絶食時間を設けて採血していますか?

肉食である猛禽類では食後数時間以内に血液検査すると必ず尿酸値は上がっています。猛禽類では適切な絶食時間を設けた上で血液検査をしています。当院では猛禽類の場合は基本12時間の絶食時間を設けることで血液検査におけるアーチファクトを最小限にしています。他院にて血液検査で尿酸値が高く腎疾患と診断されたが、実際には病気ではなく食後で尿酸値が上がってるだけということがあります。

フォースオピニオンで来院したインドオオコノハヅクは1年前から腎疾患と言われて薬と毎日の皮下注射が続けられていましたが、絶食状態での採血で検査はしたことがないということがありました。その子は当院にて適切な絶食時間(12時間)を設け、尿酸値は正常、薬や注射など必要ないことがわかりました。

また、猛禽類の食性でも尿酸値に違いが出ます。ミルワームを好む子がいますが、食べすぎてはいませんか?冷凍ヒヨコやウズラだけではなく、動物性タンパクが豊富なミルワームをたくさん食べていることも高尿酸値となる原因になります。猛禽類の血液検査を実施する際は、何をどのくらい食べているのかをしっかり確認しましょう。


鳥種ごとに生態や食性はさまざまです。各鳥種についてよく知っていることが大切です。鳥の採血はいかに負担をかけないか、そして最少量の採血で多くの結果を得ることです。現在はドライケムだけではなくvetscanを駆使することでそれが可能です。貴重な血液です。適切な採血や血液検査を心がけましょう。