排泄物がいつもと違う

排泄物がいつもと違う

鳥は総排泄腔から便、尿酸、水分尿をいっしょに排泄します。鳥にとって排泄物は健康のバロメーターです。体を軽くするために進化してきた動物なので消化吸収が早いです。そんな鳥の便がいつもと違うのは異常事態であることが多いです。

インコ(コザクラインコ)の正常な便です。固形の便がとぐろを巻いており、その周りの白い部分が尿酸です。鳥も水分尿をしますが、少ないことがほとんどです。体内で水分を有効利用しています。

フィンチ(ブンチョウ)の正常な便です。インコと違って、とぐろを巻くことはなく棍棒状です。

便色変化・便が出ていない

~濃緑色便〜

通常インコの多くは絶食していても便が出ます。これを絶食便と言います。便には食渣がまざりますが、絶食状態では食渣が混ざりません。それによって、消化液の色だけが便に出てきてしまっています。なお、胆嚢のある鳥(オウム科のほとんど、ブンチョウなどのフィンチ)に絶食便はほとんど見られません。これらの鳥がこんな便をしていたら絶食以外の可能性もあります。

~黒色便〜

上部消化管内での出血がある時に出ます。重度であればこのように黒くなりますが、茶色やこげ茶色などの便にも注意が必要です。

~白色便〜

でんぷんが消化できていない、膵臓の機能に原因があると考えられます。オカメインコの雛でさし餌中にもこのような便が見られることがありますが、それはまだ消化機能がしっかりしていないからです。

~便が出ていない〜

尿酸しか出ていない。尿酸すら出ていない場合は胃腸の機能が著しく低下しています。鳥は食べていなくても排便する動物です。消化管に何かが詰まっている場合もあります。

尿酸色が変化している

~黄色尿酸〜

緊張や投薬中といった生理的な場合もありますが、感染、肝疾患などの場合もあります。尿酸色の変化の中では他のものよりも重症度が低い傾向にありますが、症状が急に進行する場合もあるので油断できません。

~緑色尿酸〜

重度感染、肝疾患、心疾患、中毒などの場合があります。様子見は禁物です。

~赤色尿酸〜

緑色尿酸よりも重症度が高いです。重度の心疾患、肝疾患、動脈硬化、金属中毒、強い発作、血液の破壊と伴う疾患などが考えられます。

水分尿が多い・たくさん水を飲んでいる

多飲多尿は換羽中や発情中といった生理的な場合もありますが、腎機能低下や糖尿病といった病的な場合もあります。なお、ヒインコなどの水分摂取量が多い鳥種は尿量が多いことが正常です。