皮付餌(シード食)ならビタミンヨード剤とカルシウムが必要

どんな皮付餌製品にも、ビタミン・ヨード、カルシウムはほとんど含まれていません。皮付餌を主食とする鳥の場合、これらを補給しないと、甲状腺腫や代謝疾患などの病気になってしまいます。また、必ず皮『付き』にしましょう。むき餌は栄養価が低く、劣化しやすいので、おすすめできません。むき餌は胃腸が弱い子や咀嚼が難しい子などの食べ物として検討することはあります。

皮付餌(シード食)主食の場合、必ず、毎日、ビタミン・ヨード剤とカルシウムにて補給しましょう。※ペレット食(7割以上はペレットを食べている場合)では必要ありません。

残念ながら、鳥類の餌については法律がありません。そのため、いろんなものが出回ってしまっているのが現状です。ホームセンターやペットショップなどでビタミン・ヨード剤を選ぶときのポイントは、『獣医師がおすすめしているか』、『成分表記がなされているか』です。以下は、当院でおすすめの市販品のビタミン・ヨード剤です。※当院では販売していません。

~PREDEAR(プレディア)シリーズ~

ビタバード(換羽期はビタバードF)です。横浜小鳥の病院の院長 海老沢和荘先生監修です。2024.5.18に発売された新製品です。市販品では最もおすすめできます。

~ネクトンシリーズ~

ネクトンS(換羽期はネクトンbiotin)です。鳥のビタミン剤では最も歴史のあるビタミン剤です。色と味が変わってしまうのが欠点です。色付きの水入れから慣れてからがよいかもしれません。

~バードサプリシリーズ~

バードサプリS(換羽期はバードサプリBIO)です。ネクトンの色変化がない版として国内で開発されたものです。個包装販売もされているので使い勝手がよいです。ネット販売のみのようです。

~カルシウムについて~

カルシウムもいろんな製品がありますが、カトルボーンかボレー粉(無着色)がよいです。特におすすめはカトルボーンで、がじがじかじってくれていればよいですが、食べなければスプーンで削って粉にして皮付餌にまぶしてあげるとよいです。ブンチョウはカトルボーンがかじれない子が多いので、粉にしてあげている飼い主さんが多いです。カトルボーンパウダーとしてはじめから粉になった製品もあります。

カトルボーンがおすすめの理由は胃腸にやさしいこと、そしてカルシウムの吸収効率が高いことがあげられます。

一方で、ボレー粉は筋胃でくだかれてその後吸収されてカルシウム源となるまでにしばらく時間がかかってしまいます。また、ボレー粉はたくさん食べてしまうと胃腸を痛めてしまうこともあります。