鳥は哺乳類と異なり、血糖値が正常でも高い、高血糖動物です。多くの哺乳類の膵臓では血糖値を上げるグルカゴンよりも血糖値を下げるインスリンを多く産生していますが、鳥ではインスリンよりもグルカゴンを多く産生しています(シード食の鳥では膵島の半分がグルカゴンを産生する細胞(α細胞)であるといわれています。
しかし、そんな鳥にも糖尿病があります。いろんな種類の鳥での発症がありますが、経験的にはマメルリハで比較的多く認められています。過食による肥満の鳥で発症することもありますが、膵炎、腹膜炎からの炎症の波及などで発症することがあります。それらが否定的で、遺伝的な発症を疑うこともあります。
症状は元気食欲の低下、多飲多尿、尿のにおいがいつもと違う・・・などがあげられます。血糖値が600mg/gL以上の場合には、他の疾患の可能性にも注意しつつ糖尿病を疑うことが多いです(正常値にも鳥種差あり)。哺乳類と異なり、インスリン注射はごく少数の報告はありますが、あまり現実的ではありません。治療は血糖降下薬の内服が基本となります。