ブンチョウに時折認められます。急に肝臓が拡大してしまい、周囲の臓器を圧迫してしまうことで、呼吸困難、排便障害などを起こします。
ブンチョウの肝臓拡大 体表からもわかるほど肝臓が拡大している。胆嚢嚢腫と異なり、体表からは黒くは見えないことが多い。
原因は感染(鳥抗酸菌症など)、腫瘍(リンパ腫)、胆嚢嚢腫のこともありますが、原因がはっきりしないこともある現在も未知なことが多い疾患です。レントゲン検査や超音波検査、場合によっては血液検査によって状況を判断します。
レントゲン検査:肝臓拡大によって、肺は圧迫され、筋胃は尾側変位している
肝臓がかなり急性に拡大する場合の予後は残念ながらあまりよくありません。治療に反応することもありますが、周囲臓器への圧迫や肝機能不全により急変することもあります。感染なら抗生剤、腫瘍なら抗がん剤にて治療すると同時に、急激に大きくなってしまった肝臓で起こっている炎症をなんとか食い止めるためにステロイド剤、肝臓の損傷に対応するための肝臓薬などの投与も検討します。