開口不全症候群の通称です。ここ最近はあまり見かけることがなくなってきましたが、現在も時折発症しているオカメインコがいます。オカメインコ以外の鳥種では発症することが極めて稀です。
顎を動かすための筋肉である咬筋が動かなくなってしまい、病名の通り、口が開かなくなってしまう病気です。ほぼオカメインコ特有の病気になっている理由は、オカメインコの骨格、解剖学的な頭部と顎の体全体に対する比率(他のオウム目と比較してアンバランスな体型)、そして幼齢のオカメインコの免疫力はあまり高くなく、咬筋が感染や炎症を起こしてしまうとその影響が咬筋全体に広がりやすいからと考えられています。咬筋とその周囲の感染や炎症を鎮め、いかに顎の可動域を戻せるかが治療のポイントとなります。重症度にもよりますが、治療は難しいことが多いです。
不適切な給餌(口を大きく開けさせすぎてさし餌をしたり、チューブフィーディングしたり)が発症原因となります。この病気が発見された当初はボルデテラ菌(Bordetella avium)という細菌感染が原因となって発症するとされていましたが、この病気のすべてでボルデテラ菌が検出されるというわけではありません。損傷した咬筋から一般細菌(ブドウ球菌など)が感染することも原因となりえます。
