自咬症

毛引き症の中でも皮膚までかじってしまう場合は自咬症に分類されます。羽毛傷害行動として分類し、皮膚までかじってしまう重度の場合を自咬症と定義することもあります。羽をかじったり抜いたりしてしまう羽毛傷害行動と異なり、皮膚をかじってしまうことで出血したり、傷から感染してしまうことがあります。羽だけがかじる対象となる場合と違って、皮膚をかじる自咬症の場合にはエリザベスカラーが基本必須となります。エリザベスカラーを装着することでストレスになってしまいますが、装着しないと出血多量や深い傷になってしまうので危険です。エリザベスカラーを装着している間に、なぜかじってしまうのか原因を特定するなどして、傷を治療すると同時に行動療法をしていく必要があります。

自咬症に対する治療薬はいくつか挙げられますが、あまり積極的に投与していません。攻撃性が高い場合には投薬することはありますが、原則行動療法です。薬の効果には個体差があり、適応してはいけない場合もあるので投与は慎重に判断します。自咬症の治療期間は数カ月~数年、場合によっては生涯必要となる場合もあり、この病気には鳥と飼い主さんがともに長期間付き合っていく必要があります。